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2006年10月 7日 (土)

男の料理、男の肴!

皆さん、お酒を嗜まれるときは食事と一緒に合わせながら呑んでますか?それともツマミは一切無し、お酒そのものの味をジックリ~と味わう派?

おいら?おいらは食事無しでお酒を呑むなんて全くありえない派とでもいうのでしょうか、熱烈な前者であります。お酒を選ぶのと同じくらい、じっくりと食事も選びます。先にお酒が決まっていてそれに合わせて肴を選ぶこともあれば、食べたいものを決めてからお酒を選ぶ・・・その両方あり。私はその中でも特に『家でじっくりお酒を呑む』派でもありますからね、スーパーの魚売り場であれこれイメージを膨らませつつ売り場コーナーを往復すること10回、選ぶ時間にして一時間近くなど至極当たり前でもあります。だって選んでいるその時間そのものがお酒呑むのと同じぐらい楽しいわけですから。ねぇ。

とはいえ毎日毎日、しかも特に平日にそんな時間があるわけでもありません。かといって100円の缶詰お供にお酒をお手軽に、なんてのもそれはそれで好きなんでありますが、やはり何か手は加えたいもの。そんな時、焼酎でも日本酒でも自分が合わせたい男の料理といえば・・・!ズバリ、『納豆』なんであります。

「納豆ぉ?手を加えるってほどのもんじゃないじゃん・・・」なんていっているソコのあなた!『納豆道』を舐めたらいけませんぜ・・・。家で呑むお酒と同様、ちょっと手を加えることで計り知れないぐらい美味しくなるんですからっっ。

まず、納豆は最低2パックは使います。2パックにしないと、かき混ぜる時の容量もかき混ぜた後の味の乗りも足らなすぎるから。え?もしやあなたはあの薄い発砲スチロールのパックの中で軽く混ぜてその中に備付の納豆のタレを垂らして終わりにしてませんか・・・?それ、納豆への冒涜ナリ。
おいらの場合。まず、納豆を漆器の器に盛る。最初にタレを入れるなど、言語道断。まずは納豆だけ、ね。そうしないと納豆が全く糸を引きませんから。尚、器は陶器はあまりオススメしません。混ぜるときに器と納豆が少しスベルから、納豆の泡立ち(糸引き)がイマイチ。その点、漆器に入った納豆は器の内側の壁面にへばりつく様に粘るから、かき混ぜればかき混ぜるほど、どんどんどんどん糸を引いていきます。もちろんかき混ぜ方にもコツあり。なるべく箸を器の内側を周回させて、納豆の中に空気を巻き込むように、えぐり込むようにして撃つべし撃つべし!(違った、混ぜるべし混ぜるべし)。
右手にお箸、左手に器、これを見事に逆回転させるかの如くかき混ぜるのがコツです。
よく納豆の美味しい食べ方として「50回は混ぜましょう」などとノタマっている本を見かけますが、チャンチャラおかしくて腹を抱えざるを得ません。回数って時点でナンセンス。かき混ぜた後の一粒一粒の豆を見ろ、器の中の納豆全体を見ろ!と言いたい。よく出来た納豆は、一粒一粒が糸の泡立ちの中に包まれています。見た目で納豆とその泡立ちの容量の割合が1対1ぐらいになったとき・・・。まず、一度箸を置いて結構です。ただ、私は平均してここで150~200回は混ぜております。

次です。次は、鰹節を削ります。
「はあ?」などと言っているそこのあなた・・・。
ま、気持ちはわかります。今時何処の家庭に鰹節削り器がありますかって話ですよね。
ただね、パックに入ったのでもいいんですが・・・
『鰹節削り器』で削りたての鰹節はね・・・
そっと舌の上に乗せるとね・・・
溶けるんです。
淡雪のように。
フワッとカツオの風味が、口の中で消えゆくわけです。
それを、先ほどの納豆の中にフサッと入れると・・・どうなるか、わかります?
鰹節が、納豆の泡立ちの中の水分をググっと自らに引き込んで溶けゆくわけです。そうなると、周りを取り囲んでくれた泡立ちを吸い取られた納豆は、更なる粘り気を必要としてきます。そこを狙ってまた、えぐり込むように混ぜるべし混ぜるべし!
最初のうち納豆は粘れず苦しげにあがくわけですが、「もっと強く粘れ納豆!」と心で願いながら何度も何度も空気を混ぜ込むようにかき回しているうちに・・・
再度、負けじと泡立ってくるわけであります(ここで毎回ちょっと感動している)。
この時点でもうすでに鰹節は原型を留めず、納豆と融合しております。しかし、今度の泡立ちはさっきと違い「カツオ」のエキスをタップリと吸っているから、その香りたるやもう絶品だよぉ!納豆は匂いが苦手だからと敬遠している人がいれば、ちょっとここでにおいでよ、と言いたいぐらい。
この時点で更に回数にすれば100回以上は混ぜ込んでおりますが、これも納豆とその粘り気の割合を見ての判断であることは言うまでもありません。

ここまでくれば、90%は終わりです。このまま食しても十分美味しいですし切り刻んだ梅干や葱なんかを入れてもサッパリとして旨いのですが、更に卵の黄身を入れたのなんてのは、もう!水分を必要としてる納豆&鰹節のところに卵黄を入れたりしたら・・・想像できるでしょう?
狼の群れに丸々と太った羊をぶち込むようなもんで、恵みの雨のように黄金色のエキスをタップリと吸った納豆をかき混ぜるときはもうすでにすべり込むように滑らかに箸がまわり、まるで泡立ち機を使ったみたいになっちゃって、ほとんど納豆は糸を引いた泡立ちの中に埋没しちゃってんですから。鰹節と卵黄と鍛え上げられた納豆が一緒になって、器の中で見えないほどになってます。ホンモノの黄金色の納豆ですよぉ~!

ここでようやく備付の納豆のタレを入れますが、もし万が一これが足らない場合でも醤油はオススメしません。辛すぎて、黄金の納豆のマイルドさを一発で消してしまいますから。どうしてもというのなら、麺汁を薄めたものを垂らすぐらいの方が良いかと思います。
これが肴なら、ガッツンと来る芋焼酎もどんどん杯が進みます。黄金色の泡立ちを更に喉の奥へ奥へと押し込んでくれるこの快感ときたら、もう!ってなもんです。
日本酒なら(ある意味、禁断の菌の出会いというか)山廃やキモトの熱燗なんかでやっちゃった日にはもう・・・!口の中で納豆が濃厚かつ芳醇な日本酒に全く負けずにググイと引いたり押したりしてクンズホグレツして融合しちゃっていきます・・・ぜ!
もう、「幸せのため息」そのものに、自分がなっちゃうみたい。

もちろん、お酒だけじゃなくて朝ご飯にこれを出しちゃった日にゃあ、ご飯がススム君であること間違いなし!うちの奥様まるちゃんも朝ご飯の時にこれを出すと果てしなくご機嫌なんであります。ほんと、2パックじゃ足らないかもね・・・

おっと、日本酒以上に納豆について熱く語ってしまった。しかも珍しく強気な言葉使って。やっぱり茨城男児っすからねえ。納豆については譲れませんよぉ。
どうです?こればかりは、嫁さんにも任せられない男の料理って感じがするでしょ・・・?どうぞ一度お試しあれ。日本酒にも焼酎にも合わせられる、この上なく素晴らしいパートナーですぜ。
ただ難点はというと、もう他で納豆を食せなくなるというところでしょうか・・・ホテルの朝食に出る納豆でも出来ますが、一心不乱にかき混ぜる姿を周りの人に見せるのは、いささか勇気を有します。
ちなみに、当然ですが我が家の奥様まるちゃんは、納豆を混ぜることだけはまだまだ私から免許皆伝がおろされておりません。
男の威厳、ここにありってもんです。ぶい!

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コメント

なんちゅー拘りだと思ったらそうだった…茨城男児じゃん(笑)

私はたくさん食べますよ。
朝も晩も。
拘りはたくさん混ぜるぐらいですね。
たまに温泉玉子など。
一番好きなメーカーはくめ納豆ですね。

投稿: 弁慶 | 2006年10月 7日 (土) 22時17分

弁慶さん

フフフ・・・自身最長ブログです!
すげえ楽しみながら書きました。

温泉卵も大好き!
納豆は極小粒が好きだから、スタンダードなおかめ納豆が多いです。

投稿: のむりん | 2006年10月 9日 (月) 00時36分

よーし!
納豆男に質問です。
ひきわり納豆って通常品より賞味期限が短いんですが何ででしょう?

投稿: 弁慶 | 2006年10月 9日 (月) 00時48分

私の好きな食べ方は納豆とタマネギを刻んだやつを1:1で入れて、よく混ぜて食べることです。肴にもなりますし、健康に良いので一石二鳥です。
他には大葉とか入れたり、オクラ納豆にしたりとか。私も納豆にはうるさいですよ

投稿: hamu | 2006年10月 9日 (月) 10時57分

いっぱい賞とってますので、
熊本のメーカーの納豆も食べてくださいね(笑

投稿: 陵 | 2006年10月 9日 (月) 14時47分

弁慶さん

え、知らない!教えて!

hamuさん

今日は葱も刻みました・・・
もちろん卵入りね!
すげえ旨い!

陵さん

熊本の納豆・・・
おお、今度是非チャレンジします!
たしか銀座にアンテナショップがあったような・・・

おっと、これはなんのブログだったかな。
しかし熱い納豆への思い、ありがとうございます!

投稿: のむりん | 2006年10月 9日 (月) 22時53分

納豆好きですねぇ。
私も鰹節は削り器でけずりますが、
納豆と合わせたことはなかったです。
今度試してみます。

投稿: さいと | 2006年10月10日 (火) 09時39分

さいとさん

君のコメントを待っていたぞ!!
なんだ削り器をもっているなら是非!
納豆そのものの味を楽しみたいときはそのまま何も入れないほうがいいですが、このスペシャル納豆はクセになりますなぁ。
しかしそれにしても納豆ネタって思ったより盛り上がりました・・・納豆マンセー!

投稿: のむりん | 2006年10月10日 (火) 21時38分

納豆を細かく砕くとき刃に一度触ってしまうのと空気に触れる部分がすごい大きくなります。極小粒に比べてもやたら大きいです。それで酸化がやたら早いんです。酸化すると苦くなります。

投稿: 弁慶 | 2006年10月11日 (水) 01時04分

弁慶さん

なるほどー。
ヒキワリはあまり食べないですけど、手巻き寿司とかやるときに便利ですよね。
納豆もマゼマゼしてから30分ほど置いてから食べたほうが体にはより良いらしいですね。

投稿: のむりん | 2006年10月11日 (水) 01時33分

お久しぶりです。ご結婚おめでとうございます。
しかし、熱い!熱すぎます!(笑)
読みながら、「よし、明日の肴は納豆だ!」と決心してしまったではないですか。
実家では万能ネギと鰹節と卵を落としていましたが、一人暮らしの現在は発泡スチロールの容器で事を済ませていました(^^;)
明日は久しぶりに抉り込むように混ぜます!

投稿: ろかせず | 2006年10月30日 (月) 22時19分

ろかせずさん

ご無沙汰であります。
熱い、熱いぜ、ここの納豆ブログは!
万能葱、鰹節、納豆は我が家でも納豆の3大薬味であります。
た・だ・し!
作り方は間違えちゃダメだよん!!
(お酒も美味しく呑んでね!)

投稿: のむりん | 2006年10月31日 (火) 00時02分

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私はオトナ。好き嫌いはあまりない。  でも、19歳までは納豆は苦手で、あえて食う必要もないと感じていた。19で納豆を食い始めたのは、とある武道の合宿中、ろくな食事が出ない中、納豆だけは毎日出て、仕方なく食べていたから。関東での合宿のせいか、すこし納豆の味が良かったようにも思います。  さて、本題。  納豆を美味しく食べる方法は、醤油だからしだ、ダシだ、卵だ大根おろしだ、いや梅肉だ、鰹節を混ぜるとか、いろいろありますね。  私の最近のこだわりは、混ぜ加減!もっとも大切なのは、タ... [続きを読む]

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