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2008年9月30日 (火)

明日という日は

日本酒の日であります。
禊も無事にすませて、いざ心ひたひたになるまで酒を呑まんとす。

ミソギ?ハテ?と思っているそこのあなたに説明しましょう。
なんとのむりん、年に一度の特別なるこの日を迎えるため、今日まで一週間も禁酒し
ているのであります。
温かいお酒が殊更旨くなってきたこの季節に、それも秋の味覚テンコモリのこの時期
だというに。
それもこれも、この日に口にするお酒がより特別なものとなるよう、体から一度アル
コールを除いて迎えようではないか・・・という想いから。
それにしてもこんなことが出来るなんて、おいらはもしかすっとマゾ体質なんかもし
れん。

何を呑むのかって?
ええ、もう決めてますよ。
正確に言うと、一年前のこの日から決めているのです。
はい、昨年の日本酒の日に同じ時間を過ごすことが出来た『悦凱陣』の蔵元・丸尾さんとの思い出よ再び。
『悦凱陣 H19BYさぬきよいまい(KU16)無濾過生原酒』
これしかないのです。
改めてあの僥倖の意味を実感しつつ、去年書いたブログを読み返してみました。
ああ、あの時に触れた黄金色の稲穂が酒となり僕の体に入ってくる。
日本酒は米から出来ているということ。
そんなことは頭でわかってはいたけど、自分の中で初めて繋がるような気がしてます。071001_1539012

『悦凱陣』ならば米は山廃の赤磐雄町や讃州雄町、そしてオオセトなどで造られたお酒がより凱陣らしい魅力が出ているよなあと思うのですが、去年の出来事以来この『さぬきよいまい』は僕にとって特別な米。
日本酒の日はそのお酒を呑んで迎えたいと思ってます。
どうぞ明日は皆さんも一番呑みたいお酒!大好きなお酒!を呑んで酔い一日を~!

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2008年9月14日 (日)

秋という季節には

空を見上げると随分と雲が高い。
おおよ!秋だなあ、と。
時折入道雲がモクモクする姿は見えれども、それはもう雲が最後の力を振り絞ってる夏の後姿。
夜になれば鈴虫の鳴き声も耳に心地よく、ああ今年も夏は終わったのだなあと思い知らされるのです。

そうなりますと。
秋の味のするお酒が呑みたいよにゃあ。
まずはビール。
プレミアムモルツやエーデルピルスのような麦芽とホップと水だけで造られたプレミアムビール(プレミアムではなく、こうしたものこそスタンダードと呼ぶべきと思うのですが)はもちろんキリンクラシックラガーやらサッポロラガー(赤星!)やらも殊更に美味しい、ちょいと麦の苦味が旨味に感じる季節。
呑み方だって、もう夏とは違いますからね。
呑みはじめのビールもゆっくりと呑みましょう。
体内の水分を補うかのようにガブガブ呑むのではなく、一口ずつゆっくりと口に含むのです。
けして冷やし過ぎない、麦麦としたビールをゴクリ。そして、プハ~。
一呼吸おいて、ゴクリ。またまた、プハ~。
一口一口の記憶を舌に残すかの如く、そう、やっぱ夏とは呑むリズムが違うんです。

お次は程よい熟成期間を経て黄金色に輝く日本酒を、ゆったり温めます。
はい、しばし我慢ではありますがこの我慢がまたさらに酒を旨くするのです。
出来れば火入れをしたもの、それを3~5年ぐらいしっとりと熟成させたものがいいですなあ。
米は山田錦とか美山錦を使用したお酒なんてどうでしょう。
銘柄で言えば『日置桜』とか『あづまみね』、押しが強すぎずしかし口に含めば揺ぎ無い旨みを感じるこれらの燗がいいんでないかい?
で、これにあわせてサンマを焼いて食べてみたりして。
1尾じゃセツナすぎるから、やっぱ2尾は欲しいよなぁ。
それを七輪でチリチリ焼きつつね。
風の無い中でサンマを焼くと煙は真っ直ぐと空に伸びていって、その傍らには野良ネコがいたりして。
焼きあがったサンマの頭と骨をほぐして冷ました後は傍らのネコにお裾分け。
おいらはゆっくり身と腸をお酒と共に頂くわけです。
あふふ~。
想像だけで至福の世界ですねぇ~。
ここで結構満足なはずですが、欲深き酒呑みは最後七輪の余熱で愛してやまない芋焼酎『八幡』を温めて頂くのです。
これこそ秋の一日の呑み納め。
だってこの比類なき土の滋養とも言うべき味わい深いお酒の後に呑めるものなんて、そうそう見あたらないですから。

季節に合わせて映える酒、地の物に合わせて生きる酒、殊更秋という季節は酒を輝かせてくれるものですよね。
ほんと有難くて、愛しくて、感謝に耐えないお酒たち。
そんな秋を迎えたというのに、最近世間を賑わす許されざる事故米偽装転売問題。
今回の事件が原因で、本当に愛されるべきお酒や造り手の方たちまでもがいわれの無い中傷などを受けませんよう。
そんなものとは関係無く真摯に酒を造ったりしてきた人も多いのです。
そうした方達を敬う者として、今回の問題については無闇に騒がず、惑わされず、しかし決して見過ごさず。
そう自戒しております。
心から自分が呑みたいと思えるお酒やその造り手の方達に出会えること。
それ以上でもそれ以下でもなく、様々な出会いを通してそんなこと出来る酒呑みになれたらば、ただただ倖せだよなあと思うのです。
いま自分が本当に愛すべきお酒を正面に置いて、ゆるゆるゆらゆらとお酒を愛でていきたいよなあ。
そんな秋の始まりの一日をに、改めてそう思うわけであります。

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