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2009年5月15日 (金)

ハートに火をつけて

あら?

という間に3ヶ月。
ブログを書く、しかもお酒とともにゆるゆるゆらり、な~んていう時間はまるでなかったわけなんですが、いやはやちょいとぐったりんこ。
家に帰ると、いつもなら日本酒なり焼酎なりで一杯やる代わりに部屋の片隅でSimon and Garfunkel「スカボロー・フェア」に耳を傾ける。
繰り返し繰り返し。
ああ落ち着く。
清流が岩に染みいるように、涼しげな何かがおいらの体を通り抜けるよう。

あれ?あんたの大好きなお酒は?
はい。けして健全とは言い難い精神状況だと、気分良く酔えないわお酒も美味しく感じられないわ無駄に杯を重ねて次の日気分悪くなって仕事もイマイチになっちゃったりして、まあ良いことなんてナッシングなわけで。なんていって、言い訳がましく微妙な距離感。
ということで、この3ヶ月間はもっぱらいくら呑んでも何故か酔っ払うことのないビールとか薄目にした焼酎を黒千代香でジュジュジュっとさせた燗で乗り切って。
日本酒ですか?
う~ん。
この3ヶ月での消費量、一升瓶かろうじて一本というところでして。
やはりなんか日本酒は、別次元にあるような。
憂いよりも明日への活力が勝るとかね。
もしくは体のあちこちに無駄な力が入っちゃってるから一度軟体動物みたいにぐにゃぐにゃになっちゃおうとかね。
日本酒を呑むってのは例えれば「真剣勝負の遊び」みたいなもので、ガチンコを楽しもうという気分で呑んだりするので、仕事もプライベートもイケイケドンドコドンな時ならこれ以上ない楽しい仲間なんですが、いまは日本酒から見てもどことなく「呑ませるには張り合いのない」のむりんと映るらしく。
お酒置き場を覗いてもですね、なんか日本酒には背を向かれてるのがわかるのです。
ああ聞こえる。
「ちぇっちぇっ、張り合いないなあ。いまのあんたに呑まれても嬉しくないや。ああ、八幡、ちょいと相手してやってくれよ。薄めてもらってな。ジュジュっとさ。」ってな感じで『神亀』あたりからは全く相手にされず。また今度なバイバイってされるのです。それがわかる、のがツラい。セツナイ。
「しょうがないっすね。私でよろしければダレヤメいたしましょう。しかし、薄めで。」とこれまた同情されてんだかなんだかわからぬままに懐深き芋焼酎『八幡』を2と8で割ったかなり薄めのやつで。
こいつは、ジュジュジュっと焼くぐらいのが、断然旨い。
特に最初の一杯目は、沸騰を免れた幸運の滴が舌で踊るのだからたまんない。
二杯目以降も最初の甘みが口に溶けてその後に辛みがズズンと押し寄せてきますから、呑み飽きるのが無理ってもんで。

いや~いいっすね。
さてもう二合ほどおかわりしようと『八幡』に手を伸ばす。すると「もう、今のあなたはこれぐらいにしときんさい」とやんわり。
え、え、そりゃあないじゃんと訴えても、懐深いが一度言い出したら絶対に自分を曲げないのが『八幡』という酒であることを知ってるおいらは、すがるような目で『さつま寿』に目をやるのだけど「八幡の兄ぃに言われちゃあ」と苦笑いするばかり。
気づくと、酒置き場のお酒たちがみんなおいらに背を向けて眠りについてしまったよう。なんか真っ暗な感じ。
ちぇっちぇっ。
おいらのお酒なのに。
おいらのお小遣いで買ったお酒なのに、おいらが呑みたいときに呑ませない酒ってどうよ?
疲れた体を癒してくれるのが酒なんじゃないんかね。。。

そんな大好きな酒とも、ちょちょっと微妙な距離感とすれ違いを感じる、まるで思春期真っ盛りのような日々をすごしてたんす。

そんな「なんつ~かな~」な不完全燃焼な日々を送ってたおいら、会社にはズルズルと引きずる気持ちで出社して。
仕事に魂入りきらぬのはもはや年のせいなんかと、30代後半がなにいってまんねんというツッコミ覚悟の日々を過ごしてましたが。
そんなある日、後輩となにげない会話をしてたわけです。
休日どんなふうに過ごしてんの?最近仕事忙しいわりにはお互いうまく行かなかったりして疲れるから休日待ち遠しいよな~ハハハ~なんて。
そりゃもう、なにげなく、まさに社交辞令的な挨拶半分だったのですが。

そこで後輩は少し首を傾げてしばし考えて曰く。

「仕事がうまくいかなきゃ、いくら休日に休んだってダメだと思うっす。心安まらないっす。」

いやいやそりゃそうだけどさそうそう毎日うまくいくわけじゃあるまいて。

「ダメな理由によるっす。でも、自業自得なミスをしておいて、それで勝手にやる気失ってるだけならダメと思ってるっす。」

・・・む。なんか胸がジンワリと痛いのは何故?

「俺思うっす。逃げてたら、いくら休日迎えたって心休まらないと思うっす。」

・・・はい。

「結局。仕事の借りって、仕事でしか返せないんじゃないかって。シンプルにそう思うっす。」

部屋の片隅で、三角座りして聞いてたスカボローフェアとは違う、カチっとした何かがおいらの中を通り過ぎる。

そう、確かに。
何か自分の外に今の自分のダメな理由を置いちまったような。
人からの期待は重荷にしか見てこなかったような。
そんな自分は何かからヒタスラ逃げてたんかもしれないっす。

心新たに、家に帰ってお酒置き場を覗く。
むむ。なんか、活力。ぴっかぴかに存在感をアピールするお酒たち。おいらをジロっと一目見るなり、お酒たちが口々に言う。
「ふん。ちったあマシなツラだ。今日はいっちょ揉んでやらあ!」
そう言うや否や、代わる代わるおいらに襲い掛かってくる。
『神亀』、『凱陣』、『風の森』が「俺を熱しろ!」と叫びながら向かってくる。
むむ!ちょこざいな!こっちも、負けるもんかと次々とこれらの燗酒浴びせ呑んだる。
うわあ、左側から『萬膳』右から『萬年』がおいらを押し倒しにかかる。
日本酒も、焼酎も、容赦なく。
おいらは全身で受けたり跳ね返したりしながらガツガツ闘う。
呑むには呑むが、呑まれはせず。
逃げもせず。
しかしひたすら全身で味わうのだ。
ただ、ただ、呑む。
いい、酒はやっぱいいよなあと味わうのだ。呑むのだ。

必要なものが、自分にジジっとよみがえる。
自分自身にもう一度、バックンバックンいわせるやつを。
そう、魂を呼び戻すのじゃ。
明日の活力ガッツリと。
本日も旨い酒を、呑ませて頂きやす。
ごっつぁんです!!!

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コメント

毎度!

それでこそのむりんさんや!

ガッツり飲んだら、仕事にリベンジや!

ポン酒はハイオクガソリン!

ええ仕事できまっせ!

投稿: 酒恋倭人 | 2009年5月15日 (金) 05時58分

『閑さや 岩に染み入る 蝉の声』
ではありませんが、草臥れた時はトロリと練れた熟成酒で♪
火入・加水酒の方が身体にやさしいかも…。

って、ストックがない!?
使うヒマもなかったであろうお小遣いで補充してくだされ。(笑)

投稿: 燗酒おやぢ | 2009年5月15日 (金) 06時50分

その後輩、ナイスガイです(笑
オイラは外飲みが多いからちょこっとしんどいですね。
家で飲もうと思いません(涙

投稿: 武 | 2009年5月15日 (金) 07時03分

かもべびらまいふぁぃあー♪

あなたの周りには
いつでも
しょーもないオッサンとかだけど
みんなもいるからね。

投稿: トリックスター | 2009年5月15日 (金) 13時37分

のむりんさんとお酒たちは、やはり素晴らしい関係ですね。
オイラも頑張ろ。

投稿: ろかせず | 2009年5月15日 (金) 21時32分

酒恋倭人さん

おー!ハイオクとは言い得て妙ですな!

いい仕事するためにお酒呑みます。
お酒呑むからいい仕事が出来ます。

その両輪で、精進するっす!

投稿: のむりん | 2009年5月16日 (土) 02時13分

燗酒おやぢさん

はい、やはり無濾過生原を求める気分ではなかったですな~
日本酒なら火入れでほどよく練れたのに限るです。
ああ、日置桜あたりなら間違いないでしょうか。

そろそろ、手元にお酒を求めましょうかね(笑)

投稿: のむりん | 2009年5月16日 (土) 02時17分

武さん

はい、ナイスガイに囲まれておいらは幸せ満タンです。

家で呑む酒と外で呑む酒ってどうしてこう味わいが違うのだろうといつも思うのですけどね!
でも、武さんもたまには子供の顔を見ながら呑みたいっしょ!

投稿: のむりん | 2009年5月16日 (土) 02時19分

トリックスターさん

今回のタイトルはまさにあなたに向けたアピールでしかないかもっ!?

携帯への励ましメール、会社で泣き濡れながら見させてもらいました。ありがとうっっ
しょーもないおっさんが大好きで大好きで、おいらもそのあったかいしょーもないおっさんを目指して酒呑んでます。
今も、呑んでますっ

投稿: のむりん | 2009年5月16日 (土) 02時22分

ろかせずさん

ありがとうございます。
人に支えてもらい、お酒に支えてもらってる毎日であります。

ろかせずさん、今年はPOGの方も是非一緒にやりましょう!

投稿: のむりん | 2009年5月16日 (土) 02時24分

いやあ ホンマにのむりんさんの書く文章はいつも沁みますねえ♪

気持ちが萎えてると、日本酒がおいしくないっていうか、重く感じることってありますよね。

特に凱陣とかがっつりしたお酒に対抗しようと思えばこちらも万全じゃないとね(^^)

投稿: マーキー | 2009年5月18日 (月) 21時16分

マーキーさん

毎度です!
はい、日本酒って本当に気分が反映されるなあと思うのです。
焼酎はその辺は懐深いなあ・・・ということで、ここ3ヶ月は散々慰めてもらいました 笑

それにしても無濾過生原酒の燗はこの時期は厳しかったです・・・
特に凱陣は手ごわすぎて、この間全く無言で突き放されてた感じです。
まあ、丸尾さんの酒なんで、なんとなくわかる気がしませんか? 笑

投稿: のむりん | 2009年5月21日 (木) 00時41分

「日本酒に対して、厳粛な気持ちで・・・」って私も最初は思ってたり、
あと竹鶴の石川杜氏も、杜氏などなどになる前までは思っていたそうです。
でも、そうじゃないんだ~って思えた瞬間、
「はぁ~~りらっくす♪ 頭で飲んじゃダメで、心で飲むとこんなんで良いんだ~。」
って。
とはいえ、飲みたくない時に、無理に飲むのってよけいよくないですよね。
自然に距離が離れたのであれば、また自然に戻ってくるものかな~なんて思います。

投稿: まき子 | 2009年5月21日 (木) 15時53分

まき子さん

はい、仰るとおりですね~。
おいらもなんだかんだで構えて呑んでたんだろうなあ。

でもやっぱしまだ仕事はパンパン気味だったりして、平日はなかなか日本酒に手が伸びなかったりして。
だって日本酒はやっぱり体中を弛緩してくれちゃってですね。
どうしても「明日」大丈夫かなあって思ってしまうのだ。
小心者のむりんっすね。ムム。

投稿: のむりん | 2009年5月22日 (金) 00時40分

大変ご無沙汰しております。
仕事に疲れてコメントもせずに申し訳ありません。
私も仕事は悩みながら、大きな負荷を抱えてやっています。
焼酎も在庫(いや秘蔵品)整理の状態で、萬膳、萬膳庵、なかむら、妻、真鶴と空けて毎日飲んでいます。
どうもコレクターという域を超えて、単なる焼酎好きになってしまったみたいです。
しかし、これらを一気に減らしてしまうのはまずいと思っています。早くレギュラー酒を買いに行かなければ、と感じています。
明日行ってきます。

投稿: よいうし | 2009年6月 6日 (土) 22時41分

よいうしさん

コメントありがとうございます&返事遅くなってごめんなさい!

お仕事、大変そうですね。
仕事が大変なときのお酒との付き合い方って(お酒が好きであれば好きなほど)結構難しいもんだなあと思いました。
まるで、大好きでしょうがない女の子との恋と一緒っすね。

焼酎は割水しておいて黒千代香で丁寧に温めると、もうスルスルですよね。スルスル。
頑張りすぎず、ゆるゆるいきましょう。
お互いに!

投稿: のむりん | 2009年6月14日 (日) 12時44分

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